法定雇用率制度の課題解決策
納付金と助成金のアンバランスなど大企業の
障がい者の実雇用率が上がっていることによ
るいくつかの問題点を指摘しました。
この問題点を解決するための手段として、雇
用率の達成について中小企業に対してもその
範囲を広げるという対応が行政によってされ
つつあります。
つまり、2010年に納付金の支払い対象が従業
員300人以上から200人以上にすでに拡大され、
2015年には更に100人以上に拡大されるという
動きです。
いわゆる中小企業で雇用されている従業員数
は全体の70%ですので、インパクトの大きさ
が伺い知れます。(ちなみに中小企業の定義
は業種等によって異なります)
実際、現状の障がい者雇用率の達成度合いは
企業規模によって大きく異なっており、300人
以下の企業は500人以上の企業に比較して大き
く落ち込んでいます。
この原因の一つとして、納付金を支払う必要が
なかったことによる障がい者雇用の取り組みの
遅れ、と行政側は考えているのでしょうし、そ
のこと自体は間違っているわけではないと思わ
れます。
その一方で、すでに挙げた現在大企業の雇用率
が上がってきた要因は、基本的には大企業であ
ったために実現されていることが多いのも事実
であると思います。
従って、納付金対象を中小企業に広く広げたと
しても障がい者雇用率の上昇は一定規模にとど
まるであろうと考えています。
(続く)