法定雇用率制度に今後必要なこと
障がい者雇用が企業の利益に繋がるようにする
には、そもそもの労働環境全体、仕事の進め方
、考え方をドラスティックに変えていく必要が
あるのは前述したとおりです。
そして、生産性の向上の必要性や少子高齢化と
いった環境の変化、最終的には働く人の幸せと
いう観点で、日本社会もその方向に行きつつあ
るのは明らかですので、その速度をどのように
速めていくか、ということが今後求められてい
くでしょう。
また、これは単純に速めればよいということで
はなく、そのことによって不利益を蒙る人が少
なくなるように、不利益を蒙る人を救済できる
ように、慎重に進めることも重要です。
一方で、法定雇用率の観点では、障がい者間で
の不公平感をなくすような対策が不可欠だと考
えます。
これも前述したとおり、大企業の障がい者雇用
率が上がってもそこで雇用されない障がい者が
ますます不利益を蒙るといったことが発生しな
いようにする必要があります。
一つのアイデアとしては、身体障がい者、精神
障がい者、知的障がい者の全てを雇用すること
を義務付ける、または一定の比率でこの3者を
雇用することを義務付けるといったことが考え
られます。
これはそもそも、各障がい種類ごとの雇用義務
付けという法令にも準じています。
また、軽度だけではなく重度障がいの方の雇用
義務付けということも考えられます。
もちろん、それぞれの案には一長一短があり、
恐らく課題もあると思われますが、現状のまま
でよいということにはならない以上、大胆な法
律改正についても政治に切り込んで欲しいもの
だと思います。