このまとめでは、障害者白書平成24年度版の内容から主たる統計数値とそこから読み込める傾向を記述しています
1.障害者の人口
・ 身体 366万3千人
・ 知的 54万7千人
・ 精神 323万3千人
合計 744万3千人
国民全体の6%
※精神の数は、一過性の者も含まれる可能性あり
2.障害者の高齢者割合
・ 身体のうち、65歳以上が221万人(62%)
総人口における65歳以上の割合は21%なので3倍近い
高齢化に伴い、障害者が増えていると考えられる
・ 知的のうち、65歳以上が1.5万人(3.7%)
総人口における比率と比較して極端に低いことから
高齢化に伴い健康面での問題が多いと思われる
・ 精神のうち、65歳以上が91.5万人(31.5%)
6年前の27.2%から上昇している
3.障害の種類別割合
身体の種類別割合
・ 肢体50%、内部30%、聴覚(言語障害)10%、視覚9%
内部障害の上昇が顕著で、高齢化の影響と思われる
精神の種類別割合
・ そううつ等気分障害101万人(35%)
・ 統合失調症等61万人(21%)
・ 神経症、ストレス関連58万人(20%)
・ てんかん21万人(7%)
気分障害の伸びが顕著で、6年前の1.5倍
4. 障害の発生年齢層
・ 身体における障害の発生は40歳以降が60%
特に内部障害は90%近くが40歳以降
・ 精神における障害の発生は20歳未満が40%、40歳以降が20%
特に統合失調は20歳未満が56%と顕著
一方うつ病等については、20歳未満が30%、40歳以上が30%
統合失調は社会生活以前に発症し、そのまま社会生活に適応に困難な者が多く、
うつ病は社会生活後に適応困難になる者が多いと言える
5.就労年齢層の障害者人口と就業率
65歳未満の障害者人口(就労年齢層)
・ 身体 145万人
・ 知的 53万人
・ 精神 232万人
就業率
・ 身体 60%
・ 知的 60%※
・ 精神 20%
※知的の場合、身体と比較して50代後半から急激に落ちる傾向がある
障害者の就業形態には一般では見られない「授産施設・作業所等」
での「雇用」が含まれる
その割合は、身体では6.5%だが知的の場合60%近い
6.事業所規模別の障害者就労数
従業員5人以上の事業所に雇用されている障害者は、
・ 身体35万人、知的7万人、精神3万人
ただし、精神の場合はクローズ(障害を伝えない)で働いている場合が
多く、雇用実態はもっと多い
事業所規模的には、身体は規模の大きい事業所に、知的は500人規模
以下の事業所に雇用される傾向が強い
ただし、最近では知的を大規模事業所が雇用する動きが出てきている
7.障害者の賃金
事業所で雇用されている場合の賃金の平均月額
・ 身体25.4万円
・ 知的11.8万円
・ 精神12.9万円
常用労働者全体の26.4万円に対して身体は若干低め程度だが、
知的、精神は半分以下である
就労継続A型事業所の場合は7.2万円、B型事業所の場合は1.3万円
である
8.障害者の就業収入
就業月収の分布を見ると、身体の30%が11万円未満(7%が3万円未満)
である
身体以外も含めて、「回答なし」(収入なし?)が20-30%ある
知的障害の家事手伝いや作業所等での就業を含めた月収は3万円
以下である(前述の「回答なし」も含む)
このことより知的の就労場所が賃金の低い福祉施設や作業所が多い
事が考えられる
9.障害者年金等の受給状況
身体のうち、公的年金受給者が68%弱、公的手当の受給者が17%弱
である
知的の場合、上記合計が75%である
精神の場合、障害年金が26%弱、それ以外の年金が11.2%、公的手
当が2.1%である
ただし、統合失調は4割が障害年金を受給している
とはいえ、精神の定期収入に給料が含まれるのは22%弱であり、定期
収入なしも18%いるなど、経済的に厳しい状況にあるといえる